アコムからの催告書！差し押さえを回避するための方法。分割払いへの変更は？

アコムからの通知書、押さえておくべき3つのリスク

アコムから送られてくる催告書は「最終通告」という意味合いを持ちます。これは、これまでの督促状とは異なる重要な文書であり、強制執行が迫っていることを意味します。催告書も督促状も、どちらも「借金の返済を要求する書類」であることに変わりはありませんが、アコム側の対応は厳しいものとなります。アコム催告書が届いてしまった場合、以下のような事態が発生する可能性があります。

ますは、アコムの催告書が到着した際に何が起こるのかについてご説明します。

リスク①：残債一括請求が催告書と同時に送られてくる可能性がある

アコムが送付した催告書には、「期限の利益が喪失しました」という内容が記載されていることでしょう。これは、アコムが残債の一括請求を要求していることを意味します。もしも、指定された日までに残債を一括で返済しない場合、アコムは法的手続きに移行する可能性があります。

基本的には、期限の利益の喪失とは、「毎月指定された日（返済日）に指定された金額を支払うことで、残債を繰り延べる特典」を失ったことを意味します。最初にアコムから借り入れを受けた際には、実際に借りた額の一部を毎月返済していたはずです。これは、アコムがあなたに対して信頼を寄せていたからこそ提供された特典でした。

しかし、返済期限を守らず支払いを滞らせた結果、アコムから「あなたに対する信頼を失ったので、全額の返済を要求する」と通告されている状況です。アコムは催告書を通じて、期限の利益喪失を通知し、一括請求が行われる仕組みとなっています。

アコムからの一括請求に対しては、基本的に一括返済を求められます。これは、期限の利益が失われたためです。アコムの信頼が揺らいでいる以上、分割での返済は困難となるでしょう。

もしも、催告書を受け取った時点で、分割払いに変更したい場合は、任意整理と呼ばれる債務整理手続きを行うことがオプションとなります。この手続きにより、アコムとの間で分割返済の交渉が可能となるかもしれません。弁護士が介入してくれるため、アコムとの折衝が円滑に進むでしょう。

弁護士に債務整理を依頼すると、アコムは連絡を控え、取り立て行為を停止します。結果的にアコムは弁護士を通じての対応を余儀なくされ、従って返済請求も弁護士を介さなければできなくなります。催告書が届いた後で分割払いに変更したい場合は、迅速に弁護士に相談することをお勧めします。

参考: アコムから「催告書」が届いたらどうすれば良い？ | 弁護士法人泉総合法律事務所

リスク②：支払いの遅延による高額の割増料金がかかる可能性がある

アコムから送付された催告書は、約束の返済日を過ぎた日（延滞開始日）から効力を持ちます。借り入れ金額に関係なく、この催告書により遅延損害金が年率20%で発生します。この遅延損害金は、催告書の到着後も変わらず、残債を一括返済しない限り永続的に発生し続けることになりますのでご注意ください。

アコムの場合、延滞開始から催告書が送付されるまでに通常3か月から4か月の期間がかかります。あなたが100万円を借り入れていた場合、催告書が到着時点で約49,315円（90日）から65,753円（120日）の遅延損害金が発生していることになります。

逆に考えれば、催告書が到着した時点で一括返済すれば、概算で5万円から6.5万円程度の損害額で解決できます。ただし、借り入れ金額が大きかったり、滞納期間が長かったりすると、遅延損害金が莫大な額になる可能性があります。被害を最小限に抑えるためにも、催告書が届いた時点で速やかに対応することが賢明です。

参考: アコムからの催告書と時効 – 5年～10年放置した借金の時効の援用の手続きは秀都司法書士事務所（東京）

リスク③：財産や収入が差し押さえられる可能性がある

アコムから送られてくる催告書は、アコムからの最後通告です。この催告書には返済日が記載されており、その日までに一括返済ができない場合、アコムは法的手続きに移ることになります。法的手続きが始まると、強制執行（財産や給料の差し押さえ）が行われる可能性が高くなります。

もし強制執行が実行されれば、家族や会社にも悪影響を及ぼす可能性があります。自身の滞納やアコムへの借金が明るみに出ることで、大変な状況に直面することになります。詳細については後日お知らせしますが、アコムに借金があったことや未払いの事実が知られてしまうと、自らも苦しい状況に追い込まれることになります。

アコムから督促通知が送られてきたら、どのように対処すべき？

アコムが発行した催告書が到着した場合、ますは時効の成立要件を満たしていないかを確認することが重要です。アコムは、時効の成立要件を満たしている 債務者 にも催告書を送付し、金銭の返済を求めることがあります。

時効の成立要件を満たしていない場合、残債をどのように返済するかを考える必要があります。催告書が届いた時点では原則として一括返済のみが認められますが、一括返済が難しい状況にあるでしょう。

そのため、次に検討すべきは債務整理です。アコムの催告書を放置すると、すぐに財産や給料の差し押さえが始まる可能性があるため、早急な対応が必要です。 アコムの催告書が届いた後に確認すべきことや検討すべきことについて詳しく説明いたします。

時効が発生していないか確認する

アコムから届いた催告書を受け取った時点で、時効の成立要件を確認してください。消滅時効は、約束の返済日（延滞開始日）から5年経過すれば要件を満たします。たとえば2020年1月1日から延滞を開始したとしても、2025年12月31日を過ぎれば消滅時効の援用が可能になります。

ただし、消滅時効は「時効の援用」をしなければ成立しません。さらに、援用までに下記のことが発生すると、消滅時効成立までの期間がリセットされ、その事実が発生した日から5年後になります（消滅時効の更新）。

【消滅時効の更新事由】

裁判上の請求や強制執行などは、アコム側から一方的に行われるものであるため、止めることはできません。ただし、債務の承認は債務者（あなた）側からの行為となるため、慎重に行動してください。債務の承認とは、債務（借金）の存在を認めることです。

たとえば、アコムからの請求に対して「お支払いをします」と約束したり、実際に返済をしたりすると債務の承認となります。催告書に対し「分割なら支払えるのですが…」と相談をし、実際に支払うことも更新につながります。ですから、時効を成立させるためには債務の承認をする前に時効の援用を行うことが必要です。

ただし、催告書が届いた時点で消滅時効の期間が半年間更新されている状況にあります。つまり、催告書を受け取った現在は時効の援用ができないため、注意が必要です。

催告書の時効延長期間は半年間であり、アコムは半年以内に法的手続きに進み、時効の援用を止めるでしょう。その際は必ず借金の返済が求められるため、注意が必要です。

この状況下で催告書が届いても、時効の援用が不可能かと言えば、そうではありません。催告書を受け取ってからすぐに（法的手続きに進む前に）時効を主張することは可能です。アコム側は「時効の延長をした事実」を証明しなければなりません。アコムが内容証明郵便で催告書を送付していれば、勝利が難しいですが、普通郵便で送られてくる可能性もあります。そのため、アコムが催告書を送付したことを立証するのは難しいため、催告書が届いた後でも時効の援用が適用される可能性が残されています。ただし、すぐに対処しなければ法的手続きが進み、借金の返済が要求されます。本来なら催告書到着前に対応すべきでしたが、催告書を受け取ってからでも対応できる可能性は充分にあります。弁護士に相談して早めに時効の援用を行ってください。

参考: アコムからの「催告書」と時効援用｜司法書士あかね法務事務所

債務整理により、支払いの分割や残債の免除を求める

アコムから催告書が届いたら、基本的には一括返済しか許されません。一括で返済が難しい場合は、時効の援用をするか債務整理で分割払いもしくは借金の免除を目指すしかありません。

債務整理には下記3つの手続きがあり、自分の状況に合った手続きを選ぶことができる利点があります。

任意整理

任意整理はアコムに対して「このままでは借金の返済が困難であるため、借金の一部をカットしたうえで、分割払いに変更してもらえないか？」と交渉をする手続きです。任意整理に成功すれば、あらゆる利息のカットや残債の分割払いが可能になります。

一括返済を要求されている状況でも、総支払金額を減らして、さらに3年〜5年程度の期間で完済を目指すことが許されます。催告書が届いた後でも相談は可能なので、「分割ならなんとか支払える」と考えるなら、任意整理を検討してください。

個人再生

個人再生は、アコムからの借金を含めすべての借金返済が困難であることを申し立て、借金の一部を大幅に減額してもらう債務整理手続きです。個人再生が成功すれば、借金を最大で100万円まで減額できるのが特徴です。

残債は再生計画案に従って返済を続けますが、おおよそ3年〜5年以内に完済を達成できるように調整されます。また、個人再生の最大のメリットは、住宅（ローン）を持ったままでいられることです。住宅ローンを抱えつつ、借金返済が困難であり、減額を目指す方は個人再生を検討してみませんか。

自己破産

自己破産は、アコムからの借金を含めすべての借金返済が困難であることを裁判所に申し立て、現在のすべての借金を免責（免除）してもらう手続きです。他の債務整理と異なり、借金が1円も残らないのが特徴です。

アコムからの借り入れだけでなく、他社借り入れなども含めて返済が困難な方は、自己破産を検討してください。自己破産は新たな生活の再建の機会でもあります。

アコムから催告書が届いて、分割払いなら支払可能と考えている方は、任意整理を検討するべきです。アコムへの返済がまったく困難な状況なら、自己破産を検討すべきです。債務整理の選択に迷う場合は、まずは弁護士に相談してみると良いでしょう。状況によっては、債務整理以外の選択肢も考えられます。早めの対応が重要ですので、催告書が届いたらすぐにでも弁護士に相談しましょう。

債権回収手続きが始まると、行動する余地が狭まるので、つけ入る隙がないよう注意

アコムからの催告書を受け取った場合、時効が半年間延長されることを念頭に置いておくことが重要です。アコムはあなたに対して催告書を送付することで、提訴に至る流れを促しています。そのため、アコムの意図は催告書送付後の提訴にあります。時効の延長を利用して、半年以内に確実に提訴を行うことがアコムの目的です。ですから、催告書が到着した段階で迅速な対応が必要です。ためらっていると、法的手続きに移行される可能性が高くなります。「後で対応すればいいや」と放置している間に、選択肢が限られることに留意してください。

アコムから財産や給料を差し押さえられた場合どうなる？

アコムよりお送りした催告書におきまして、ご対応を怠られた場合、法的手続きへの移行及び強制執行（財産や給料の差し押さえ）が行われる可能性がございます。

最終的には、アコムからの催告書に応じず、法的手続きに進まれた場合、財産や給料の差し押さえがおこなわれることになります。

財産や収入の差し押さえにより、借金が会社や家族に知れ渡る可能性がある

アコムから送付される催告書は家族にも会社にもバレる可能性が高いです。アコム名義で送られてくる催告書は、家族がすぐに気づいてしまうでしょう。その催告書を隠しても、給料や財産が差し押さえられればバレるのは時間の問題です。

会社に対しても、アコムから見れば第三者債務者となるため、給料の差し押さえは避けられません。アコムは会社宛に「債権差押通知書」を送付し、給料の一部を差し押さえるように命令できます。この通知書が届いた時点で差し押さえ手続きは始まります。

給料の差し押さえは継続されるため、アコムからの借金が完済されるまで注意が必要です。会社は事実確認はできますが、差し押さえを拒否することはできません。

参考: アコムから催告書が届いたらするべきこと｜法的措置を回避するには | 債務整理弁護士相談Cafe

預金が差し押さえられ、資金を引き出すことができなくなる

アコムからの借入金に関する催告書が届いた場合、無視すると「強制執行」が始まり、給料だけでなく口座に入っているお金も差し押さえられる可能性があります。差し押さえられる金銭は、アコムからの借入金よりも大きくなることがあります。口座内に残高があっても、それは差し押さえられ、影響が生じる可能性があります。アコムから借りている金額よりも多くのお金が入っていても、全額が差し押さえられます。給料の範囲は1/4まで差し押さえられますが、預金財産に入金されると全額を差し押さえられる可能性があります。給料日直後に口座が差し押さえられると、その月は無収入になる可能性もあります。現行法では全額の差し押さえが違法ではないため、差押禁止債権の範囲の変更が重要です。差押禁止債権の範囲を裁判所に申し立てて変更すれば、アコム側は預金債権を差し押さえることができなくなります。生活を守るためにも、差押禁止債権の範囲の変更手続きを行うことが重要です。

参考: アコムの「催告書」「訴訟等申立予告通知」による請求と消滅時効の援用 | 消滅時効 | 千葉いなげ司法書士・行政書士事務所

給与から差し引かれる金額は「手取りの四分の一」

アコムから送られてくる催告書は、重要な通知です。アコムは、催告書を通じて、あなたの返済に関して最後通告を行っています。それが届いた時点で、アコム側は執行手段を講じる権利を持ちます。

催告書を受け取った場合、手続きに早く取り掛かることが重要です。アコムが取る執行手段の一つに債権差押えがあります。従って、もし執行が始まってしまえば、アコムはあなたの手取り給与の一部を差し押さえることが可能となります。

手取り額が一定以上の場合、差し押さえ額が増えることも念頭に置いておくべきです。たとえば、手取りが44万円を超えている方は、33万円を超える分の全額を差し押さえ対象となります。これにより、毎月の収入から一部が差し押さえられ続けることになります。

差し押さえを回避する方法として、催告書を受け取った段階で債務整理を検討することが有効です。アコムとの交渉を通じて、差し押さえを未然に防ぐ可能性もあります。アコムからの催告書が届いたら、直ちに弁護士に相談し、債務整理の道を考えることをおすすめします。

もし差し押さえが始まった場合でも、個人再生や自己破産といった手続きを進めることで、差し押さえを差し止めることができます。アコムからの催告書には迅速に対応し、適切なアクションをとることが、将来の負担を軽減するために重要です。

まとめ

アコムから 催告書が到着した場合、どのような状況になるのでしょうか？もしも差し押さえまで進展してしまった場合、どうなるのでしょうか？これらの点についてお話ししました。

アコムからの 催告書は、重要な意味を持つ「最終通告」です。無視を続けると、本当に強制執行が開始される可能性があります。強制執行が始まれば、あなたの財産や給料が アコムによって差し押さえられ、自身にとって困難な状況を引き起こす可能性があります。

差し押さえを避けるためには、一括返済または債務整理の選択肢しかありません。もし一括返済が可能な資金を持っている場合は、指定された期日までに返済を行うことが大切です。支払いに必要な財力を持っていない場合は、早急に アコムに相談するか、弁護士に助言を求めることをお勧めします。

アコムの催告書に関する一般的な質問

アコムからの催告書により、お客様におかれましては、アコムとの間で締結された契約に基づく義務の履行について、お願い申し上げます。アコムからの催告書が届いた際には、速やかに内容を確認し、指示に従って必要な措置を取っていただくようお願いいたします。これまでの取引履歴やお支払い状況などに基づき、アコムからの催告書にはお客様にとって重要な情報が記載されております。今後とも、アコムとの円滑なやり取りを大切にし、アコムからの催告書に真摯に向き合っていただけることを願っております。

アコムから送られてきた通知書が届いたのですが、どうすればよいでしょうか？

アコムから届いた催告書は、アコムからの通知ですので、すぐに対応することが大切です。アコムの催告書には、滞納分の支払い期限が記載されていますので、遅れることなく支払いを行いましょう。アコムの催告書に記載された滞納分を支払えない場合、裁判所による申し立てや財産の差押えなどの厳しい措置が取られる可能性がありますので、早めの対応が求められます。

参考: 消費者金融（アコム）から手紙が届き、確認したところ催告書でした｜借金の時効援用専門【泉南行政書士事務所】 | コラム | 時効援用の相談／消費者金融・裁判・借金の事なら「泉南行政書士事務所」へ

催告書を受け取った後、早急に未払い金を清算すれば支障はございませんか？

アコムから届いた催告書を早急にお支払いいただければ、差押えやその他の法的手段が取られる可能性は低くなります。ただし、以前にもアコムに対して支払いが滞っているなど、個々の状況によっては残債の一括返済を求められる可能性がございます。

参考: アコムの借金における時効の成立条件は？時効援用の失敗や放置のリスクを解説 | 弁護士法人・響（ひびき）

差し押さえを受けた場合には、どのような影響があるのでしょうか？

アコムから届いた催告書には、もしも差押えが実行される場合、現金や家・車・株式などの貴重な資産を手放さなければならない可能性があります。さらに、アコムは給料の1/4を毎月の支払いとして引き落としていきますので、十分にご注意ください。アコムからの催告書は重要な内容が記載されていますので、早めに対処することが肝要です。

参考: アコムに対する消滅時効の援用 | 時効の援用ならお任せ下さい！ご相談、成功報酬0円で援用の負担が少ない。

アコムの返済が困難な場合、何か解決策はあるのでしょうか？

アコムからの催告書を受け取ったら、迅速に対応が必要です。アコムと直接交渉が難しい場合は、法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。アコムの催告書には、返済の義務や期限が明記されていますので、無視せずに対処することが重要です。債務整理を通じて、借金の整理や支払督促の停止を求めることができます。しかし、アコムの催告書には期限があるため、早めの対応が肝心です。

参考: アコムから督促状｜無視するリスクや対処法・差し押さえの流れを紹介 – 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

アコムから送られてきた催告書について、身に覚えがありません。

アコムから届いた 催告書に身に覚えがない場合、まずは身近な家族や親しい知人がアコムから借り入れていないか、また返済し忘れの借入がないかを確認してみましょう。もし、借入がないことが確認できた場合は支払いを行わず、アコムの催告書について弁護士や警察に相談することをお勧めします。

また、お借り入れの金額をどれだけ減らせるかを知りたい場合には、アコムの借金減額シミュレーターを利用することで簡単に診断できます。もし返済が難しい状況になってしまった場合は、アコムの催告書に記載された内容を見直し、債務整理が有効な解決策のひとつであることを視野に入れて考えてみることも重要です。実際にどれだけ借金が減らせるのか、気軽にアコムの催告書に記載された情報をもとに診断してみましょう。